PythonとStan (PyStan)の簡単なインストール
PythonとPython用のStanライブラリPyStanの簡単なインストールについて説明する。PythonはPythonのホームページからWindowsにインストールするが、PyStanはAnacondaをインストールしてから、Anacondaにおいてインストールする。まず、Pythonのインストールについて説明し、次にAnacondaとPyStanのインストールについて説明する。
まず、Pythonをインストールするためのフォルダを用意する。ドライブCの直下が良い（図１）。
図１
図２では、「MyPython」という名前のフォルダを作成している。
図２
次に、Pythonをインストールする。Pythonのホームページ（https://www.python.org）に行く（図３）。
図３
「Downloads」にカーソルを置いて表示されるメニュにおいてDownload for Windowsのボタン「Python 3.10.2」を選ぶ（2022.01.18）。
ボタンをクリックするとダウンロードが始まるが、Microsoft Edgeの確認ダイアログボックスが表示される（図４）。
図４
ボタン「Open」を開くと、ダウンロードしたファイルの実行が始まり、図５のフォームが表示される。
図５
下のチェックボックスを２つともチェックを入れ、「Customize installation」の領域をクリックする。
インストールが始まり、図６のフォームが現れたら、チェックが全てに入っていることを確認して、「Next」ボタンをクリックする。
図６
図７のフォームが現れたら、チェックボックスに全てチェックを入れる。
図７
「Customize install location」を「Browse」ボタンをクリックして選ぶ。図７では、図２で作成した「MyPython」を選んでいることに注意。
チェックとインストール先の設定後、「Install」ボタンをクリックする。
インストールが終了すると、図８のフォームが表示される。
図８
「Close」ボタンのクリックで終了である。
Pythonのインストールが完了したら、次にライブラリのインストールなどを端末ソフトにおいて行う。
Windowsのスタートメニュから、「Windows PowerShell」を選ぶ（図９）。
図９
端末Windows PowerShellが起動される（図10）。
図10
コマンド「pip list」を以下のように入力すると、pipの更新を促すメッセージが表示される。
PS C:\Users\yasuh> pip list
Package Version
---------- -------
pip
21.2.4
setuptools 58.1.0
WARNING: You are using pip version
21.2.4; however, version 21.3.1 is available.
You should consider upgrading via the 'C:\MyPython\python.exe -m pip install --upgrade pip' command.
指示通り、以下のように入力する。例では「python.exe」の拡張子「.exe」を省いている。
PS
C:\Users\yasuh> python -m pip install --upgrade pip
pipの更新後、ライブラリ（モジュール）のインストールを「pip install ライブラリ名の並び」のコマンド形式で行う。
次のコマンドでは、numpy、scipy、matplotlib、seabornがインストールされる。
PS
C:\Users\yasuh> pip install numpy scipy matplotlib seaborn
インストール後、「pip list」コマンドを実行すると、インストールされているモジュール（ライブラリ）が表示される。
Successfully installed cycler-0.11.0
fonttools-4.28.5 kiwisolver-1.3.2 matplotlib-3.5.1 numpy-1.22.1 packaging-21.3
pandas-1.3.5 pillow-9.0.0 pyparsing-3.0.6 python-dateutil-2.8.2 pytz-2021.3
scipy-1.7.3 seaborn-0.11.2 six-1.16.0
PS C:\Users\yasuh> pip list
Package
Version
--------------- -------
cycler
0.11.0
fonttools 4.28.5
kiwisolver 1.3.2
matplotlib 3.5.1
numpy
1.22.1
packaging 21.3
pandas
1.3.5
Pillow
9.0.0
pip
21.3.1
pyparsing 3.0.6
python-dateutil
2.8.2
pytz
2021.3
scipy
1.7.3
seaborn 0.11.2
setuptools 58.1.0
six
1.16.0
PS C:\Users\yasuh> exit
コマンド「exit」を実行すると、端末は閉じられる。Pythonの端末を閉じるときは、「exit()」と丸括弧（）を付けるが、通常の端末は「exit」である。
インストールしたPythonのIDLEを利用するときは、スタートメニュから「IDLE (Python 3.10 64-bit)」を選ぶ（図11）。
図11
IDLEのウィンドウが表示される（図12）。
図12
スクリプト作成用のエディタを起動するときは、メニュ「File|New File」を選ぶ（図13）。
図13
「untitles」という名前のファイルのエディタが開かれる（図14）。
図14
エディタの使い方は、他のメモ帳などのエディタソフトと同様である。
Anacondaのインストールは、ホームページ「https://anaconda.com/products/individual」からダウンロードして行うことができる（図A1）。
図A1
図A1の右下にある「Download」ボタンをクリックする。
図A2のように、Microsoft Edgeのダウンロードしたファイルの処理方法（Open/Save as）を尋ねてくるダイアログフォームと、AnacondaのEmail Addressなどの設定を求めるフォームの2つが表示される。ダウンロードの方は「Open」を選べば、インストールが実行される。Email Addressなどの設定は、まず行うことになるが、この設定を行うとMicrosoft Edgeのダウンロードの処理を問うダイアログフォームが消えてしまうことがある。このときは、AnacondaのEmail Addressなどの設定を行った後、再度、Anacondaのダウンロードのページ（図A1）から「Download」ボタンをクリックすればよい。このときは、図A2のAnacondaのEmailなどの設定フォームは無視して、Microsoft Edgeの「Open」ボタンをクリックする。
図A2
「Open」ボタンのクリックでインストールが始まると、図A3のフォームが表示される。
図A3
「Next」ボタンをクリックする。
「License」の確認フォームが表示される（図A4）。
図A4
「I Agree」ボタンをクリックすると、図A5のフォームが現れる。
図A5
「PATH」設定のチェックはオン、「default Python 3.9」のチェックはオフがよいと思う。
図A5の「Install」ボタンをクリックすると、インストールの作業が始まり、終了すると図A6のフォームが表示される。
図A6
「Tutorial」と「Getting Started」の２つのチェックを外して「Finish」ボタンをクリックすると、終了になる。
Anacondaのインストール後、Windowsのスタートメニュから「Anaconda Powershell Prompt (anac…」を選ぶ（図A7）。
図A7
Powershell端末が起動すると、図A8のように表示される。
図A8
プロンプトの先頭に「(bsse)」と表示されていることにより、Anacondaの仮想環境baseの端末であることが分かる。端末としての使い方は、普通の端末と同じであるが、Anacondaのコマンドcondaが使える。
端末が起動したら、まずAnacondaのアップデートを行う。
コマンドは「conda update anaconda」である。以下のように実行する
(base) PS
C:\Users\yasuh> conda update anaconda
次に、パラメータを「--all」として、次のように更新コマンドを実行する。
(base) PS
C:\Users\yasuh> conda update --all
Anacondaをインストールした時点でのPythonはPython 3.9.7（2022.01.18）である。
インストールされているライブラリ（モジュール）はコマンド「conda list」で調べることができる。
以下は、実行例である。
(base) PS C:\Users\yasuh> conda list
# packages in environment at
C:\Users\yasuh\anaconda3:
#
# Name
Version Build Channel
_anaconda_depends
2021.11
py39_0
_ipyw_jlab_nb_ext_conf 0.1.0
py39haa95532_0
alabaster
0.7.12
pyhd3eb1b0_0
anaconda
custom
py39_1
anaconda-client
1.9.0
py39haa95532_0
anaconda-navigator
2.1.1
py39_0
anaconda-project
0.10.2
pyhd3eb1b0_0
・
・
・
モジュールpystanがインストールされていないので、次のコマンドでインストールする。
(base) PS
C:\Users\yasuh> conda intall
pystan
インタラクティブ モードでPythonを使うときは、コマンドpythonを次のように実行すればよい。
(base) PS C:\Users\yasuh> python
Python 3.9.7 (default, Sep 16 2021,
16:59:28) [MSC v.1916 64 bit (AMD64)] :: Anaconda, Inc. on win32
Type "help",
"copyright", "credits" or "license" for more
information.
>>>
図A9のように実行すると、図A10のフォームが表示される。
図A9
図A10
インタラクティブ モードから抜け出すときは、コマンド「exit()」を実行する。
端末を閉じるときは、コマンド「exit」である。
スクリプトファイルを実行するときは、スクリプトファイルの置かれているフォルダにコマンド「cd」で移動する。
移動した先のフォルダ内は、コマンド「ls」（エル エス）調べることができる。
以下のコードは、それらの実行例である。
(base) PS
C:\WorkSpace\temp\samples_1> cd C:\WorkSpace\temp\samples_1\samples_1\
(base) PS
C:\WorkSpace\temp\samples_1\samples_1> ls
Directory:
C:\WorkSpace\temp\samples_1\samples_1
Mode
LastWriteTime
Length Name
----
-------------
------ ----
-a----
2022/01/18
14:16
1512 DrawPostDprime.py
-a----
2022/01/18
14:16
999 DrawTriangularPF.py
-a----
2022/01/18
14:16
1467 FrawPostDprimeMulti.py
-a----
2022/01/18
14:18
49768 PostMulti.png
フォルダ内のファイル、上の例ではDrawPostDprime.py、を実行するときはコマンドpythonで以下のように実行する。
(base) PS
C:\WorkSpace\temp\samples_1\samples_1> python DrawPostDprime.py
PythonとStan（PyStan）の説明を＜岡本安晴「いまさら聞けないPythonでデータ分析」丸善出版＞で行っている。