双対尺度法
分割表の分析
表14.1.1（大山「色彩心理学入門」、1994、pp. 220-222 における記述を基に分割表の形にまとめ直したもの）のような分割表を双対尺度法によって分析するプログラムDualScaleXTable.exeを作成した。プログラムのソースコードファイルなどは圧縮ファイルDualScaleXTable.zipとしてまとめたので、ファイル名DualScaleXTable.zipをクリックしてダウンロード・解凍すればVisual Studio 2013で開くことができる。
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表14.1.1 象徴語と色の適合関係。適合するときを１、適合しないときを０で表す。 |
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赤 |
橙 |
黒 |
紫 |
灰 |
青紫 |
白 |
緑味青 |
ピンク |
黄橙 |
青 |
緑 |
黄緑 |
黄 |
|
怒り |
1 |
1 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
|
嫉妬 |
1 |
1 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
|
罪 |
0 |
0 |
1 |
0 |
1 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
|
永遠 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
1 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
|
幸福 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
|
孤独 |
0 |
0 |
1 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
|
平静 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
1 |
1 |
0 |
0 |
|
郷愁 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
1 |
1 |
1 |
0 |
|
家庭 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
|
愛 |
1 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
|
純潔 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
|
夢 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
1 |
|
不安 |
0 |
0 |
1 |
1 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
|
恐怖 |
1 |
0 |
1 |
0 |
1 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
プログラムDualScaleXTable.exeを実行すると、図１のフォームが表示される。
図１
既にデータが本プログラムの入力用データファイルとして用意されているときは、「Old Data」ボタンをクリックする。「Old Data」ボタンをクリックすると、入力データファイル名の設定ダイアログフォームが表示される（図２）。
図２
入力データファイルは、例えば表14.1.1のデータ（DataTable1411.txt）の場合は、図３のように用意する。
図３
最初の行に、行数と列数をセパレータ（図３ではコンマ , ）で区切って並べて書く。
セパレータは、プログラムにおいて下記の配列の値（等号の右辺において並べられている文字）として設定されているものである。
array<wchar_t> ^ separator = { ' ', '\t', ',',' ','/' };
プログラムのソースコードにおいて、{ } 内の文字を追加あるいは削除するなどして、適宜、セパレータとして用いる文字を設定することができる。
行数と列数を書いた行の次の行に、行の表すカテゴリ（表14.1.1において左端の列に並べられている言葉）をセパレータで区切って書く。
その次の行に、列の表すカテゴリ（表14.1.1において上端の行に並べられている言葉）をセパレータで区切って書く。
その次の行から、1行ずつ、分割表の各行のデータを書いていく（図３と表14.1.1の対応を参照）。
上の形式（図３）の入力データファイルは、適当なエディタを用いて作成することができるが、まずExcelで作成してからCSVの形式（*.csvファイル）で保存するという方法もある。
図２の入力データファイル名設定のダイアログフォームで入力データファイル名を設定して「開く」ボタンをクリックすると、データが読み込まれて図４のフォームが表示される。
図４
データが正しく読み込まれていることを確認したら、右上の「OK」ボタンをクリックすると、「計算」ボタンがイネーブルになる。
新しくデータをプログラムの実行時に設定するときは、分割表の行数と列数を設定して「New Data」ボタンをクリックする（図５）。
図５
図６のようなフォームが表示されるので、図４のように分割表の形式でデータを打ち込む。行や列に表示されている「R1」とか「C1」という文字列は、データに対応した言葉・文字列に書き換えておく。
データの設定が終わったら、「OK」ボタンをクリックする。
図６
図４あるいは図６のデータ設定フォームにおいて「OK」ボタンをクリックして、「計算」ボタンがイネーブルになったら「計算」ボタンをクリックする。計算結果の出力用ファイル名設定のダイアログフォームが表示される（図７）。なお、図４あるいは図６のフォーム左下の「次元数」は、解を求めるときの次元数を設定しておく。なお、次元数など、双対尺度法についての説明は、本書「心理学データ分析と測定」の「第１４章 質的データの可視化：双対尺度法」を参照されたい。
図７
出力用ファイル名として適当なテキストファイル名を設定して「保存」ボタンをクリックすると、計算が始まる。
計算が終了すると、計算結果がファイルに保存されたことを示すメッセージボックスが表示される（図８）。
図８
「OK」ボタンをクリックすると、「描画」ボタンがイネーブルになる（図９）。
図９
「描画」ボタンのクリックで、図１０の画面になる。
図１０
画面１０の左上は、図１１のようになっている。
図１１
横軸と縦軸の次元を設定して「描画」ボタンをクリックすると、設定された次元によるマップが図１２のように表示される。
図１２
プログラムの実行終了後、図７で設定した出力ファイルを開くと、図３の入力データの場合、出力結果は以下のようになっている。
赤 橙 黒 紫 灰
青紫 白 緑味青 ピンク 黄橙 青 緑
黄緑 黄
怒り
1
1
1
0
0
0
0
0
0 0
0
0
0
0
嫉妬
1
1
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
罪
0
0
1
0
1 1
0
0
0
0
0
0
0
0
永遠
0
0
0
0
0
0
1
1
0
0
1
0
0
0
幸福
0 1
0
0
0
0
0
0
1
1
0
0
0
0
孤独
0
0
1
0
1
0
0
0
0
0
1
0
0
0
平静
0
0
0
0
0
0
0
1
0
0
1
1
0
0
郷愁
0
0
0
0
0
0
0 0
0
1
1
1
1
0
家庭
0
1
0
0
0
0
0
0
1
1
0
0
0
0
愛
1
1
0 0
0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
純潔
1
0
0
0
0
0
1
1
0
0
0
0
0
0
夢
0
0
0
0
0
0
0
1
1
0
0
0
0
1
不安
0
0
1
1
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
恐怖
1
0
1
0
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
ndim = 2
相関比の２乗（相関係数）
説明率
累積
1:
0.79550(0.89191)
22.77%
22.77%
2:
0.69651(0.83457)
19.94%
42.71%
3:
0.58080(0.76210)
16.63%
59.34%
4:
0.44823(0.66950)
12.83%
72.17%
5:
0.31479(0.56106)
9.01%
81.18%
6:
0.20005(0.44727)
5.73%
86.91%
7:
0.18970(0.43554)
5.43%
92.34%
8:
0.14835(0.38516)
4.25%
96.59%
9:
0.06270(0.25041)
1.80%
98.38%
10:
0.04255(0.20628)
1.22%
99.60%
11:
0.01388(0.11781)
0.40%
100.00%
行カテゴリーの尺度値
怒り
0.64729
0.61905
嫉妬
0.58478
0.93674
罪
1.79765
-0.82609
永遠
-0.98094
-1.27341
幸福
-0.54496
1.52207
孤独
0.78469 -0.95314
平静
-1.13363
-1.35036
郷愁
-1.14923
-0.78936
家庭
-0.54496
1.52207
愛
-0.08410
1.36867
純潔
-0.57312 -0.54473
夢
-1.08906
0.52765
不安
1.47619
-0.27158
恐怖
1.19250
-0.22445
列カテゴリーの尺度値
赤
0.39631
0.51650
橙
0.01301
1.43033
黒
1.32263
-0.39690
紫
1.15537
0.39850
灰
1.47186
-0.68156
青紫
2.01552
-0.98983
白
-0.87121 -1.08926
緑味青
-1.05862 -0.79108
ピンク
-0.63434
1.47993
黄橙
-0.83685
0.90057
青
-0.69490
-1.30793
緑
-1.27977 -1.28192
黄緑
-1.28851
-0.94582
黄
-1.22104
0.63224
行カテゴリーの重み付き尺度値
怒り
0.57732
0.51664
嫉妬
0.52156
0.78178
罪
1.60334 -0.68943
永遠
-0.87491
-1.06276
幸福
-0.48606
1.27028
孤独
0.69986
-0.79547
平静
-1.01110
-1.12698
郷愁
-1.02501 -0.65878
家庭
-0.48606
1.27028
愛
-0.07501
1.14225
純潔
-0.51117
-0.45461
夢
-0.97133
0.44037
不安
1.31662 -0.22665
恐怖
1.06360
-0.18732
列カテゴリーの重み付き尺度値
赤
0.35347
0.43106
橙
0.01161
1.19372
黒
1.17966
-0.33124
紫
1.03048
0.33258
灰
1.31276
-0.56881
青紫
1.79765
-0.82609
白
-0.77703
-0.90907
緑味青
-0.94419 -0.66021
ピンク
-0.56577
1.23511
黄橙
-0.74639
0.75159
青
-0.61978
-1.09157
緑
-1.14143
-1.06986
黄緑
-1.14923
-0.78936
黄 -1.08906
0.52765
これらの出力の解釈は、本書「心理学データ分析と測定」の「第１４章 質的データの可視化：双対尺度法」を参照されたい。